2016年7月17日日曜日

PCB切削 3 (pcb2gcode の autoleveller 機能)

前回、pcb2gcodeで生成したGコードに加工中にZ軸のゼロ調を行うコードを差し込む方法を考案して試し旨くできたのだが、 pcb2gcodeのオプションを確認したらpcb2gcodeにはZ軸用autoleveller機能があることが判った。 autoleveller用コード付きのGコードを生成させるためのオプションは --al-**** と --software **** だ。 autoleveller用コード付きGコードの場合、加工前に加工する領域でZ軸方向のゼロレベルのバラつきを計測・保存し、その値でZ軸の移動量を補正しながら加工する(Gコードを生成する)。 計測したデータはテキストファイルとして出力もされるので表計算ソフトやgnuplot等でグラフ化して見ることが可能だ。

autoleveller機能を使って、ある基板を加工した時の測定値をgnuplotで3Dグラフ化してみた。

等高線の交点が測定点だ。このケースの場合、最大値と最小値の差は35umもあることになる。
今回使用した基板の銅箔の厚みは35umなので、Z軸補正無しで加工しようとすると切削深さを70um位にしないと旨く加工出来そうにないが、この測定値を使ってZ軸の移動量を補正しながら加工することでZ軸方向の精度が上がりそうではある。しかし、autoleveller機能はZ軸のバックラッシュについては対応できないような気もする。今回はこのautolevellerの機能と加工中のゼロ調をする方法を組み合わせて加工したところ、切削深さ55umでも綺麗に加工することが出来た。
もしかしたらもっと浅くても、例えば40um位でも行けたかも知れないし、autoleveller機能だけでも十分なのかも知れない。これに関しては少しづつ条件を変えながら加工して見て行くしか無い。
まぁ、でもそれらのテクニックを用いる事で0.5mmピッチのQFP用基板のパターンを高精度に作る事ができることは判った。 良くよく考えればこれは我がpoorman's laboにとっては画期的な事だ。国内の基板製造サービスを利用して基板を作ると数万円はかかってしまうし、fusion PCBを利用すると安く作ることが出来るが注文してから基板を入手出来るまでには数週間かかってしまう。
線間ギャップが0.2mm以下とか4層板とかには対応できないが、2層で線間ピッチ0.2mmまでの基板なら自宅で製造することが出来、早ければCADでパターンを引いてその日のうちに基板が作れてしまう。もちろんソルダレジストやシルク印刷は無いしスルーホールメッキも無く、後で線材で導通させる必要があるが、数枚程度の実験用基板としてならこれでも十分だ。購入したCNC4030がこのような用途に最適かどうかは他の機械の使用経験がないので比べようが無く判らないが、個人的には購入して良かったと思う。いやー、、いい買い物をした!


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