2023年10月22日日曜日

自作CPUで遊ぶ 11

CNCはG-codeで制御することになるが、主軸の移動を指示するコードにG00(位置決め)とG01(直線補間)がある。G00は主軸の原点復帰等のような位置決めに使われる。この時各軸は同期せず個別の設定値で移動する。起動/停止時の加速度もそれぞれの設定値を使うので、例えばX/Y各軸の設定値が同じ場合主軸は最初に45度の方向に移動し、何れかの軸が目標位置に到達すると今度はX方向またはY方向のみ移動して目標点に到達することになる。これに対してG01の直線補間(切削送り)は現在位置から目標位置までの直線上を移動する。前々回に検討したのはこの場合になる。
で、これらの処理のFPGAのロジックとソフトウェアの分担について検討した。 パルスモータードライバーへのパルス生成方式は基本的にはHDD用スピンドルモーター駆動時の方式をベースにするのだが、とりあえず以下のような入出力で考えている。
*_pm_***はパルスモータードライバへの制御信号だ。em_stopは非常停止信号でこれが1の期間は動作を停止し*_pm_enも0にする。s_beatはビートパルス信号で、起動/停止時の加減速はこのパルスに同期して行う。*_pcntは*_pm_pulseに出力されるパルスの計数値だ。*_pm_dirの値によって増減する。*_pcntは*_clrで0にリセットされる。*_clrは原点設定時に1になる。X/Y/Z各軸のパルスモーターの回転が各軸の移動に変換されるので、*_pcnt値に1パルス当たりの移動量を乗じれば原点からの座標になる。*_accelは起動/停止時の加速度、*_speedは目標速度だ。主軸が停止状態から移動が始まるとすると、速度0から *_accelのレートで増速していき *_speedに達する部分で *_speedに固定する。また、停止時は *_speedの速度から *_accelのレートで減速して行きやがて0になる。 *_enは起動/停止を制御する。 0から1に変化すると移動を開始し1から0になると停止する。停止時は直ちに停止する訳ではなく減速しながら停止する。起動から完全停止迄の期間のパルス数が移動量になるので停止のタイミングはちゃんと計算する必要がある。 

で、FPGAのLOGIC側をこうするとすると、zumi32側の処理は少なくとも以下のことをする必要がある。
数値計算はfloatで行う必要があるが、これは問題ない。Dpを求めるのに√演算が必要になってしまった。これを何とかする必要がある。zumi32は演算用リソースとしては加減算器とバレルシフタしか持っていないのでfloatの四則演算はそれなりにステップ数を要する。√演算となると尚更だ。そこで、この部分はハード化することにした。√演算器は10年くらい前に趣味で自作した。最初のやつはパイプライン式で組んだが回路が大きくなるのでその後に非パイプライン化版も作った。これは1bit@1clockで計算する。32bit floatの仮数部の√を求めるのでトータルで26クロック掛かる。これだとちょっと掛かりすぎな気がするので、今回2bit@1clockで計算するように変更した。
この演算器をzumi32に組み込み、sqrt命令を追加することも出来るが、他のfloat系演算命令は未実装なのでこれだけ入れるのはバランスが悪すぎる。今回はfp_sqrtモジュールとしてi/o busに接続して使うことにした。また、こうするとfp_sqrtにデータを書き込んだ後、結果がでるまでzumi32で他の処理をさせることも可能で処理を並列化することも出来る。といってもfp_sqrtのレイテンシーは13なのでその期間だけの話だが。。。 以下は動作確認のために現状のプロジェクトに組み込んだ様子。
zumi32のプログラムは以下のようにした。
simulationの結果
vivadoでimplementして見た。100MHzで動作させるがタイミングエラーは無くMetした。回路規模も意外と小さい。

2023年10月15日日曜日

自作CPUで遊ぶ 10.5 ? (卓上旋盤)

YouTubeでCNCや旋盤でのものづくり動画を見るのが好きで、見ると止まらなくなっちゃうので普段は見ないようにしているのだが、今日うっかり見てしまったら無性に自分でも何かを組み立てたくなってしまい、気がついたらジャンクのアルミ材を無心にネジ締めしてた。 ふと、我に返って笑ってしまった。何やってんだ俺?・・・と。
しかし、組み立ているものを見たら先週実験した卓上旋盤のベース部分に使えそうな気がしたので、そのまま組み上げることにした。
卓上旋盤化するにはベースにするアルミフレームを購入する必要があり、金掛かるしどうすっかなーと悩んでいたのだが、まさか手持ちの部材で出来るとは。。。考えもしてなかった。やっぱ、人生持つべきものはジャンクだわ。と改めて思う。 

上の写真の状態ではまだ完成ではない。制御基板(FPGAボード)や電源も必要だし刃物台も必要だ。 所有しているCmod7は1枚だけでこれはCNCの方で使うつもりなので、この卓上旋盤用には別のFPGAボードが必要だ。回転数や正転・逆転の設定や表示、非常停止制御ぐらいは出来るようにしたい。 もちろんzumi32を実装する。

ま、これもぼちぼちやってくつもりだ。


2023年10月9日月曜日

自作CPUで遊ぶ 10

所有しているCNC3040には三つ爪チャックが付属している。モーターはパルスモータでチャックとモーターとのプーリー比は1:3だ。 これを回してみた。このチャックは購入してから一度も動かしていなくて今回初めて動作させてみた。

普通に回すだけなので問題無く動いた。ベースボードに固定すれば卓上旋盤的な物が作れそうだ。
何かワクワクする。 (^_^)

CNCでX-Y2軸を制御してスピンドルの位置を移動させる場合、移動先の座標値の与え方には幾つかの方法が考えられる。普通に考えればX,Yの直交座標系で各軸の移動量を与える方法だろうが、極座標系で角度と目標位置までの直線距離を与える方法もあるだろう。 何れの方法も座標値は絶対座標の場合と相対座標の場合が考えられる。 何れの方式にしても、実際に制御するのはX/Y各軸のパルスモーターになるので、最終的にはこれらのモーターに印加するパルス数とパルスレート(周波数)に変換することになる。パルスモーターには最大自起動周波数という特性があって、いきなり起動・停止できる最大パルスレートに制限がある。なので、パルスモーターを起動・停止するときは徐々に加減速する必要がある。つまり、加速度に上下限値が存在する。CNCを制御するソフトウェアにはMach3やLinuxCNCがあるが、これらのソフトウェアでもこれらを設定するパラメータがある。

 Mach3の設定画面

即ち、X/Y各軸のモーターに対してこの加減速制御をする必要がある訳だが、如何なる場合にも同じ値とは行かずこれらの値は点P0からP1への直線移動の加速度とし、これをX/Y軸の加速度に変換する必要がある。
スピンドルの移動速度もG-code等で設定されるので、X/Y軸の移動速度は以下のようになる筈だ。
つまり、G-code等で与えられた各値からXpulse、Xspeed、Ypulse、Yspeedを求めてパルス発生部に入力する必要がある。どこからどの部分までをFPGAロジックに実装し、他の部分をzumi32に実装するかを検討する必要がある。


2023年10月1日日曜日

自作CPUで遊ぶ 9

定年になって再雇用社員になったというのに何故か仕事がめちゃくちゃ忙しい。給料はほぼ半減したのに下手したら定年前よりも忙しい。先日は仕事帰りに急に喉がヒリヒリ痛く微熱も出てきた。職場で高熱で休んだ人がいるという話も聞いていたので、これはいよいよ私も何かに感染したかしら?とか思ったのだが一晩寝たら回復した。かなり疲労が溜まっているので免疫力が低下しているのかも知れない。 こんな時は好きことをやって気分転換だ。…やってることは仕事とあまり変わっていない気がするが… 全部、自分の思い通りに・好きなように・作りたいものを作る。というのが気分転換になる。 

さて、今度はステッピングモーター(パルスモーター)を制御して見たくなってジャンク箱からモーターを出して来た。 パルスモーターの制御を習得したいなーと思って集めていたら、いつのまにか沢山所有してしまった。 ここに写っているのはその内の一部だ。
モータードライバはDM556Dというやつを使うことにした。これもいつかこれで遊ぼうと思い数年前にAmazonで購入して死蔵していたやつだ。 回転させるだけならHDDのスピンドルモーターと同様の方法で良いが、位置決め制御等もやってみたいので今回はこれを使うことにした。
なので、FPGAからはEnable、Dir (回転方向)、Pulseの3種の信号をDM556Dに与える。
7年位前にCNC4030Zという中華製のCNCを購入した。今はまったく使っていないがまだ所有している。 この装置のコントローラはI/Fが古く、PCのプリンタポートと接続する必要がある。また制御するソフトウェアもWindows95用のものなので今動かすの色々と難しい。 最終的には、コントローラと制御ソフトウェアを自作してこれを動かしたいと考えている。これで最高4軸迄は制御してみることが出来る。
とりあえず、普通に回転させてみた。プログラムはHDD用スピンドルモーター用のやつをベースに若干手直しして使った。 とても容易に回せた。このモーターの場合、回転数は9000 [rpm]が上限のようだ。

ERROR: Failed to spawn fakeroot worker to run ...

なにかと忙しくてなかなか趣味の時間を確保できない。 ...orz  家の開発機のOSはLinux Mintなのだが、最近バージョンを22に更新したところ、myCNC用のpetalinuxをビルドできなくなってしまった。ビルドの途中で ERROR: Failed to spawn ...