2012年12月31日月曜日

DFT IPの作成 13

どうやら他にも問題があるようで、入力信号の振幅が最大値の75%を超える値がある場合に波形が変になる。具体的にはスペクトル波形が残ってしまうという以前の症状と同じになる。
どうもおかしい。。。そもそも、方式的に無理があるのか??

そこで、Cモデルを改良してwavデータを処理出来るようにした。以下がCモデルのDFT演算処理を行う部分で極めてシンプルだ。RTLも基本的にこれと同じ筈なんだがなぁ。。。


これで実機と同じデータを処理させて実機と同じ結果になるかを確認する。基本的に同じ処理を行っている訳だから、同じ結果が得られるはずだ。以下が使用法だ。


my_dft -i wavファイルへのパス  と打つと、指定ファイルのDFT演算を行い結果をファイルに出力する。 -o オプションで出力する項目を指定する。


-r オプションは出力レートで、0 (default)の場合は2048点演算する度にファイルを出力する。一方、1の場合は1点演算する度にファイルを出力する。

defaultの出力形式 (-o 0)で出力されたファイルをgnuplotでグラフ化するシェルスクリプトも作成した。


以下が操作例だ。


my_dft -i wavファイル名を実行すると、カレントディレクトリに出力ファイルが生成される。拡張子は.spcとした。この状態でpic_gen.cshを実行すると各出力ファイルのデータのグラフを作成しjpeg形式でファイルに出力する。これはjpgというサブディレクトリを作成してその下に出力される。このjpegファイルはavidemuxというソフトを使ってavi形式の動画ファイルに変換することも出来る。このavidemuxというソフトは優れもので、mp3やwav形式の音ファイルも結合させることが出来る。さらに、これは別のソフトだが、ffmpegを使えばこうやって生成したaviファイルをmpeg形式の圧縮ファイルにすることも出来る。

以下はその例
低域側の200ポイントの部分のみをグラフ化している。
※ 音源は「甘茶の音楽工房」というサイトのロイヤリティフリーの音源を使用させて頂いた。


この方法で、動作が異常になるwavデータを処理した結果が以下だ。

同じデータを実機で再生させると以下のようになる。


明らかに実機の方の動作が異常だが、ソフトウェアの方は正常に処理できているので、再帰的に演算を行うという本方式自体には問題なさそうだとも言える。では、一体何が間違っているのか???

シミュレーションで確認したいのだが、Xilinxの浮動小数演算器のverilogソースがゲートレベルになってしまっているために非常に時間がかかると言うことを先日のブログに書いた。DFT IPの単体シミュレーション環境でなら少しは短縮できるか?と期待してやってみたのだが、サンプリングレート48KHzの2048点分に相当する42.6msecの時間分のシミュレーションに43時間を要するという有様だ。(;_;) 波形ファイルはFST形式でダンプさせているが、サイズは25GBにもなった。まぁ、波形ファイルはダンプする対象範囲を狭めたり、$dumpon/offを使えば小さくできるかも知れない。問題はシミュレーションの実行時間だ。これを何とか高速化する必要がある。そこで、浮動小数演算を行うVPIタスクを作成しこれを使ってみることにした。演算器を置き換えるため、不具合の原因が演算器にある場合は不具合現象が再現できなくなるが、逆にこれで正常動作が確認できれば、原因は演算器か或いはもっと別の要因、例えばACタイミング的な事等と切分けできるかも知れない。

以下がVPIタスクのプログラムの一部で、加減乗除の2項演算用の関数だ。この他に、今調査したい現象とは関係ないが、sqrtとlogの単項演算用も作成した。


verilogの方は以下のように書き換えた。


で、実行時間の方だがすんげー早くなった。263msecをシミュレーションするのに90分程度だ。
元は16.5usecのシミュレーションをするのに1分を要する計算だが、VPIタスク化した場合はこれが2.9msec/分と177倍程も高速化できたことになる。後は、ダンプファイルが肥大化しないように工夫して、何とか不具合の原因が特定できるといいのだが。。。


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